「純恋ちゃん、久しぶり」


四年ぶりに再会した坂田くんは幼さが抜けていて大人っぽくなってスーツが似合う色男になっていた。
ちゃんと、サラリーマンしているんだね。



「お久しぶりです、坂田くん」


「待った?」


「ううん。わたしもさっき来たところだから」


坂田くんはわたしの前に座るなり、下を向いて黙り込んでしまった。


どうしたのかな…?
体調でも悪いのかな?



「純恋ちゃん…夢、叶えたんだってね。おめでとう」


なんて心配していたら、顔を上げてニコリと笑ったからホッと胸をなでおろす。


「ありがとう…坂田くんも就職おめでとう」


坂田くんは四月から企業に就職し、サラリーマンとなったのだ。

わたしはというと、少し時間はかかってしまったけどようやくこの春にデザイナーになる資格を得た。


そして…、ついに君に会える日がやってきた。


「会いたい」そう口に出していいようになったんだ。


夢を叶えるまでは絶対口には出さなかった。
出しても虚しくなるだけだったから…ちゃんと夢を叶えなきゃ君に会う資格がないと思ってたし。