どうであれ、もう君がわたしの前に現れることはないんだ。
そんなことは痛いほどわかっているのに無意識のうちに君のことを考えて、求めてる。
ここ四年間はそんな日々の繰り返しだよ。
今日は朝から白い雪がこの街に降り注いでいた。
地面は白く染まり、一歩一歩あるく度にサクサクと音を鳴らす。
頭の上と肩に少しだけ積もる雪を愛おしく思う。
まるで、昔のわたしを見ているような気持ちになるから。
真っ白で脆い、昔のわたしのようだ。
そして、何より君に似ているから。
雪のように綺麗な心で触れてしまえば消えてしまいそうなほど繊細で。
そんな雪がわたしの手の上に落ちてくるけど、わたしの体温のせいで数秒で水へと変わる。
この雪は次は何に生まれ変わるのかな?
なんて、考えながら待ち合わせ場所へと向かう。
彼のお墓の場所を知らないから坂田くんをカフェに呼び出して教えてもらうことにしたのだ。