中にはルーズリーフの端切れと失くしたと言っていた要くんが愛用していたピアスが入っていた。
ルーズリーフを広げると、決して綺麗とは言えない、ぶっきらぼうに書かれたたった三文字の言葉を見てわたしはその場に泣き崩れた。
「要くん…っ、好き…っ」
どうして、この言葉は君には届かないんだろう。
君がくれたものはたくさんある。
──…口に出す勇気
──…絶対に叶えたい夢
──…自分を信じる自信
わたしは君に何か返せていたのかな?
ねえ、君は本当に幸せだった?
わたしは君が辛いときに何もしてあげられなかった。
それなのに、君はわたしに“ありがとう”だなんて。
その言葉はわたしのセリフだから。
ちゃんと、夢を叶えて会いに行くから。
何年かかっても絶対に。
だから、君はこの青く広い空からわたしを見守っていてください。
───“好きだ”
君がくれた最大級の応援の言葉をわたしは強く胸に刻み込んで明日からまた生きていくよ。



