【完】幸せは透明度100%






子供の頃はずっと行きたかったけど、大人になっていくにつれてそんな気持ちも薄れてしまった。



今のわたしは本当にとてつもなく中身のない人間だと思う。



心も全部、からっぽなんだ。




「やっぱ、ゲームセンターとか行ったことないんだ」




予想的中、とでも言いたげな表情の彼。



「うん」



「じゃあ、俺が純恋の初ゲームセンターGETだね」



なんて、とびきりのスマイルを向けてくるから心臓がうるさいじゃんか。



須藤くんと出会ってからのわたしはなんかおかしい。



妙に心臓の動きが早くなって今まで感じことのないような胸の苦しさや痛みに襲われるのに君の笑顔を見るだけで不思議と痛みが和らぐんだ。




「そ、そうだね」



「あ、初デートもGETしちゃった」




「超うれしー」と言いながら、頭の上に音符マークを浮かべてニコニコしている須藤くんを見ているとわたしまで自然と頬が緩む。




須藤くんの笑った顔好きだな……って好きとか思っちゃってとたんに恥ずかしくなる。



「ふっ、照れてる。可愛いね」



そんな事言われると、もっと顔が熱を帯びてトマトのように赤くなっていくのがわかる。