【完】幸せは透明度100%




そして、封筒の中には少し形の崩れている折り紙で作られたムラサキのスミレの花と数枚の写真と要くんが図書館で描いた絵が入っていた。



これ…要くんが折ってくれたのかな?
形はいびつだけど、その一輪のスミレの花からは彼の思いがひしひしと伝わってくる。


そして、写真は…いつかわたしが要くんに隠し撮りされたときの写真だった。


楽しかったなぁ…もう一度あの日に戻れたらどんなにいいだろう。


だけど、一枚だけ見覚えのない写真があってそれを手に取るとそこにはわたしの大好きな笑顔を浮かべた彼が写っていた。


いつ撮ったのかはわからないけど、写真の中の彼は本当に楽しそうで幸せそうで…。



わたしはそれを胸の前まで持っていき、涙が枯れてしまうんじゃないかってぐらい泣きじゃくった。



時間は戻らない。
だからこそ、今を悔いなく、一秒一秒を大切にして、この人生でよかったと胸を張って言えるように生きなきゃいけない。


君がそうであったように。
君はどんなにどん底に突き落とされても弱音を吐かず、


全ての時間を大切に過ごしてきたから最後の最後にこの人生でよかった、と思えたんだもんね。