わたしはこの人生後悔だらけだ。
なんでもっと早く君に『好き』だと言えなかったんだろう。
そう思ってももう遅いのに……だから、もう誰もそんなことにはならないように“今”を大切に生きてほしい、彼の代わりに。
全てを言い終わる頃にはわたしの瞳からは大量の涙が溢れ頬を伝っていた。
長々と話したのにも関わらず、立ち上がって拍手してくれる人や顔を抑えて号泣している人がほとんどでそんな拍手の音を聞きながらわたしは頭を下げた。
要くん……わたしは少しでも君が伝えたかったことをみんなにも伝えられたかな?
きっと、伝わったよね。
こんなにも君の想いが伝わって涙してくれる人がいるよ。
鳴り止まない拍手の中わたしは涙を制服の袖で必死に拭きながら、自分の席まで戻った。
「純恋ちゃん…っ!すごいよかった!感動したよ…」
「すごく心に響いた…っ!」
歩美ちゃんやクラスのみんなが嬉しい言葉を言ってくれた。
伝わってて……よかった。
「ありがとうっ…!」
それから、式は順調に進んでいき退場を迎えた。
体育館に鳴り響く卒業ソングと盛大な拍手に包まれながら、体育館の床を一歩一歩三年間を思い出すように歩く。
今日、わたしは君との二ヶ月間の思い出がたくさん詰まったこの高校を卒業した───…。



