だから…だから、ちゃんと見守っててよね。
わたしの大粒の雨が彼の戦場だった場所にポツポツ、と雨を降らし、灰色のシミをつける。
きっと、彼もここで何度も挫けそうになったり、嫌になったり、涙を流したのだろう。
でも、誰にも弱音は吐かなかった。
わたしには到底分かりえないほどの苦しみをずっと一人で…そう思うだけで、胸がぎゅうっと締め付けられて苦しくて息が上手くできない。
要くん……、君は誰よりも努力家で優しい人。
なのに…っ、神様はとっても意地悪だ。
「好き…っ、大好き…っ」
悔しいぐらい静かな病室に君への届かぬ想いがやけに大きく響く。
しばらく、泣いたあと一人で家まで帰った。
お葬式は身内だけでひっそりとするらしいからわたしは行けなかった。
だからこそ、ちゃんと君と見つけた夢を叶えよう。
入試までの数週間、わたしは必死で机と向かい合って手を動かし、入試当日には彼からもらったお守りを持って行ってパワーをもらった。
そして、運命の合格発表の日。
もらったお守りをぎゅっと優しく握りしめて、自分の受験番号を探した。
自分の番号を見つけた時はお母さんと抱きしめ合って喜んだ。
でも、心の底から喜べないのは…そばに君がいないからなのかな?
ねえ、もう一度だけ…
夢の中ででもいいから君に逢いたい。



