【完】幸せは透明度100%





「なに…これ?」



坂田くんは戸惑いながらわたしからそれを受け取るとジッと見つめる。



「手紙だよ。今となっては中の文章は意味がないんだけど…それでも渡しておいて欲しくて。いつか会いに行ける日まで……」



こんなことを押し付けるなんて、わたしはとんだワガママ娘だ。



「わかった…じゃあな。頑張れよ」



それでも、坂田くんは優しいからわたしのワガママもすんなりと受け入れてくれて力なく笑うと、病室から出ていった。


涙で滲む視界の先で坂田くんを見届けて、昨日まで彼が闘っていた、戦場であるベッドにそっと手を置く。


要くんはわたしに『忘れろ』なんて言ってたけど、
そんなの無理に決まってるじゃん。


たった二ヶ月だったけど、要くんと過ごした日々はわたしの中で一生宝石のようにキラキラと輝き続けるから。


いつか、思い出にするから。
それまではずっと好きでいてもいいでしょ?



「寂しい思いはさせないぐらい一緒にいるって言ったじゃん…っ、要くんの嘘つき…っ」



ほんとはね、ずっと言いたかったんだよ。



───…わたしが君の夢を叶えたい。



その言葉はわたしの口から出ることなく、君は手の届かない場所へと旅立ってしまった。


早すぎる別れに正直頭がついていけてない。
でも、一日も早く君に会いにいくためにわたしは頑張るから。