『要さんの命は手術をしなければあともって二ヶ月です。
手術は必ずしも成功するとは限りませんし、リスクがあります。お辛いでしょうが、少し考えてみて下さい』
この病気を宣告されてから
二年目の紅葉がオレンジ色に色づく秋
俺は二度目の死の宣告…余命宣告を受けた。
二ヶ月…?俺はあと二ヶ月しか“須藤要”としてこの世界でいることが出来ないのか?
そう思うと、“死”というものに初めて恐怖を感じた。
今まではずっと思っていた、“俺は大丈夫”だと。
なのに、俺の命の炎を消すための水が投下されるのはもうすぐそこまできていて、病気とは関係なく胸が苦しくなって、
どうしようもなくこの世界が憎くて、そして何より……恋しくなった。
俺に時間なんてなかったから答えはすぐその場で決めた。
────手術はしないと。
『要…!?なんで!?お金のことなら心配しなくて…
『疲れたんだよ、もう…!どうせ手術したって治るか分かんねぇんだろ!?俺には生きる希望が見つからないんだよ…!』
手術をしない、と言うと姉ちゃんはやっぱり俺が思っていた所を図星で当ててきたから何もいえないように大きな声で叫んだ。
けど、この気持ちは嘘じゃない。
もう、疲れたんだ……
生きたくても生きられないなら…もう死ぬしか俺には選択肢がないんだ。



