「言いたいことは声に出す」



わたしのおでこを人差し指でコツン、と突っつきながらムッ、とした表情で言った彼。


須藤くんに触れられた部分が熱を帯びてジンジン、と熱くなっていく。


わたしは何も言えずにただ触れられたおでこを抑える。



「ほら、返事は?」



その柔らかく笑う顔、そして耳に響く低く甘い声。
須藤くんの全てに強ばっていた体が一気にほぐれるような。そんな感覚になる。



「はいっ…」



こんなにも優しく笑う彼を見るのは初めてでドキドキと早まっていく自分の鼓動の音を聞きながら返事をする。


やめて。


これ以上、わたしを壊さないで…っ。



「よく出来ました。ってことでゲームセンター行こ」



わたしの左手を突然ぎゅっと握りしめて歩き出す。
ただ、それだけでわたしの体温は一気に上昇する。