『この病気は薬で状態を緩和させることもできる場合もあります。
でも、手術をしないといつ何が起きてもおかしくありません』



それは俺が一番最初に受けた死の宣告だった。
これが運命、逃れるのことはできない…と無理やり受け入れることしかできなかった。



そのときから俺の地獄の闘病生活が始まった。


出された薬を飲んで1、2年何とかやり過ごしてきた。
病気のせいで学校へ行けない時期もあった。
運動だって、ほとんど出来なくなって自分の病気を改めて認識させられた。


全く良くならない病状に辛くなっても見渡せばそばで強く支えてくれる人たちがいた。


自分たちもしんどいはずなのに俺をずっと励ましてくれる姉ちゃんや姉ちゃんの旦那さん。


唯一、ダチの中でこのことを知っている坂田璃久(りく)は俺が学校へ行けば『昨日さ〜アイツがな』なんて他愛もない会話を吹っ掛けてくれて、たまに見舞いにも来てくれた。


幸い、最悪な自体にはならずに安心しきっていた。
ずっと頑張れてきたのに…神様という奴は俺に試練しか与えないらしい。