でも、どうしても君に生きてほしくて……。
これからも君と過ごしていきたくて。


ごめんなさい、こんなワガママ言って…っ。


「純恋……ありがとな」


不意に何を思ったのか要くんが優しくクシャリ、とあたしの頭を撫でた。
久しぶりのその感触に懐かしさと温かさを感じた。


でも、彼はそのあとに静かにわたしの心に重い石を乗っけた。


「でも、もう俺には会いに来るな」


それは今のわたしにとってはとっても重たく冷たい石だった。


“会いに来るな”


なんで?
わたしは要くんをそばで支えたいのにそれは許されないの?


「な、んで…」


絞り出した声に要くんの肩がピクッ、と一瞬だけ揺れた。


「いいから…来るな。これで俺たちはほんとに終わりだ」


彼の潤んだ瞳に涙でグシャグシャなわたしが映っている。
彼の瞳もそれに映るわたしも切なげに揺れていた。