「俺…っ、死にたくない……っもっと…生きてたい…」



きっと、誰にも言えずに心の奥底で秘めていた思いなのだろう。
要くんもわたしと同じようにずっと長い間自分の気持ちを我慢してたんだね。



わたしは何も言わずにただ全力で首を縦に振った。


わたしの涙が彼の肩を濡らし、それと同じように彼の涙がわたしの肩を濡らす。



「俺…お前と…出会えてよかった…っ」



────…好き


その二文字が再び口からこぼれ落ちそうになったのを必死に飲み込み我慢した。

だって、言ってしまえばまた君を困らせてしまうと思ったから。


でも、そのかわりに


「わたしもだよ」


そういって、お互い無言で涙が枯れてしまうんじゃないかってぐらい思い切り泣きじゃくった。



「ねぇ…要くん…っ」



こんなこと言ったら引かれるかな?

嫌われるかな?

でも、自意識過剰でも自己中でもなんとでも思われても構わないから……だから、



「生きる意味が見つからないなら…わたしのために生きてよ…っ。生きてずっとあたしを照らしてよ…っ」



無理を言ってるのは承知の上だった。

手術は難しいものでリスクも伴うことも分かっていたつもりだった。