なんか、わたしがわたしじゃないみたい。
デートなんて……と思っているのに、
どこか“楽しそう”とか“行きたい”なんて
思っている自分がいることに驚いた。
「あ、ドタキャンとかマジでないからな」
何を言うのかと思えば、ドタキャンとかわたしが考えていたことを言われ図星を突かれた。
「えっ…」
思わず、驚きの声が漏れてしまった。
そんな、わたしを見て何かを察したのか彼は言った。
「なんもしねぇから、ほんとにただの息抜きだから」
柔らかい声に優しい笑みを浮かべられると、
断れなくて黙って一度だけ頷いてみせた。
すると、彼は満足そうに微笑んで「よしよし、素直だな」なんて
頭を撫でるからわたしの顔はゆでダコみたいに真っ赤だと思う。
そんな突然のキスと無理やりのデートの約束がわたしと君との出会い────…