ぽたぽたとわたしの涙が冷たいアスファルトに灰色のシミをつけていく。


『嫌い』…いつからそう思っていたのかな?
出会った時は『俺はお前みたいなやつ嫌いじゃないよ』そう言ってくれたのに……


所詮、遊びだったんだ。手を繋いでくれたことも強く強く抱きしめてくれたことも…全て。


でも遊びなら…なんであんなことしたの?
嫌いなら…なんで必死に背中を押してくれたの?
なんで辛い過去を話してくれたの?


分からないよ、何も。
ただ、分かるのは君とわたしの気持ちは対照的だということだけ。
彼はわたしのことが嫌いで、わたしは彼のことが好き。


気持ちはきっと一生報われないし交わらない。
そんなの君に恋した時点で分かっていたはずなのに…辛くてこんな気持ちになるのは初めてでどうしたらいいのか分からない。



「…純恋ちゃん!」



いつから居たのか分からないけど歩美ちゃんがわたしの名前を呼びながら駆け寄ってきて、そっとわたしの冷たい体を包み込んだ。



「あ…ゆみちゃん…っ…うぅ…」


「いいから泣きな。
悪いけどさっきの聞かせてもらってた。
辛いよね…だから今は思い切り泣いていいよ」



温かいぬくもりと優しい言葉に涙が止まらなくてそのまま歩美ちゃんの言葉に甘えて泣きじゃくった。


この涙を悲しみを制御することが今のわたしにはできなかった。