「大袈裟だっつーの。俺は何もしてねぇよ。
全部、純恋が勇気と自信を持って頑張ったからだろ」
ぽん、と私の頭の上に大きな手を置いて柔らかく笑う君を窓から夕日が照り始めたのを知らせるオレンジ色のその柔らかい笑顔をよりいっそう輝かせる。
本当に吸い込まれそうなぐらいの瞳にとても綺麗な顔だなぁ…と改めて実感する。
「ううん。要くんがわたしに勇気と自信をくれたんだよ」
「それなら、俺だって純恋にいっぱいもらってる」
「え?わたしは何も…」
「純恋を見てるだけで心が落ち着いて安らいで、
必死に頑張ってるところを見ると“俺も頑張らなきゃ”って思うからさ」
君は心までとても綺麗なのだと感じた。
まるで、雪のような心の持ち主。
「それに、一番はその笑顔だな。見てるだけで癒される」
一瞬、心臓が止まってしまったんじゃないかって思った。
今だって、バクバクと心臓がうるさいぐらいに騒いでいる。
好きな人からそんなこと言われてドキドキしないほどわたしは男の子に慣れていないし……。



