「もう…!ふざけないでよ!」


「ふざけてねぇし。
いつか純恋も着るんだろうな、その相手が俺だったら…なんてな」



おどけたように笑う君はどこか切なげで目が離せなくなった。


要くんは冗談で言ってるんだろうけど
わたしは本当に将来の結婚相手が要くんだったらな…って思っているんだよ。


そんなこと君は何も知らないんだろうけど。



「そんなに俺のこと見てどうした?もしかして、見とれてた?」



なんて、ニヤリとイタズラな笑みを浮かべた君を見て、さっきの切なげな表情は勘違いだったのかな?と思った。


でも……要くんはたまにとてつもなく切なげな表情を浮かべて苦しそうにしてるんだよね……。



「ち、違うよ…!」


「違わないだろ。正直に言ってみ」


「……見とれてました」



観念したわたしは正直に見とれていたことを白状すると彼は満足そうに、にっこり笑った。


その笑顔にまた鼓動が早鐘を打ち始める。
恥ずかしくなってノートへと視線を向けたのに彼はそれが気に食わなかったのか覗き込むようにしてわたしの顔を見てきた。