経済や政治の話は一切抜きで学校であったことや仕事先で起こったことなどを四人で話して久しぶりに楽しい夕食を終えて、自室に戻るとスマホを操作して彼に電話を掛けた。



『もしもし』


「あ、要くん!」



三コールほどで電話に出た彼。
要くんと電話するのは二回目で、慣れていないからか緊張で手汗をかいてきちゃった。



「わたし、夢を叶える一歩を踏み出したよ」


『本当か…!?おめでとう!
なら、明日はさっそく服について勉強しよう。
てことで、図書館に行こうぜ!10時に迎えにいくから!』



電話越しでも分かる彼のテンションの高さにクスリと笑ってしまった。
でも、そんなことに気づいていない彼にわたしは「了解です」とだけ言って、電話を切った。



わたしは夢に繋がる線路のスタートラインにやっと今立つことが出来たんだ。