「彼は本当にいい人だね。
純恋が変わった理由も分かるよ」



「わたしが…?」



「うん。前よりもキラキラしてる」



キラキラ……?
そう言われて思い出したのは大学のオープンキャンパスに行ったときのことだ。


わたしもあの人たちみたいに夢に向かって頑張るキラキラした人になれるのかな?



「そうだな。言いたいことも
ちゃんと言えるようになったみたいだし」



そう言われて、少し照れくさくなってはにかむとみんなも釣られるようにしてはにかんだ。


これが家族。
これから、絆を深めて一生連れ添っていく家族だ。



「さぁ、夜ご飯の準備でもしましょうか」


「あ、お母さん。手伝うよ!」


「あら、ほんとに?ありがとう」



こんな家族らしい会話は久しぶりだ。
お互いをさらけ出した今、わたしたち家族に壁なんてない。


怖くても、辛くても、ぶつかり合えば見えてくるものだってある。
一歩、踏み出す勇気さえあれば必ず世界は変わるんだ。



それを教えてくれたのはほかの誰でもない



───…要くんだ。