「もうやめてよ……!!」



気づいたら、声に出して叫んでいた。
わたしが叫ぶなんて思ってもなかった三人は驚いたように目を丸くして私を見た。



「おかしいよ…!わたしたち家族は。

家族って心が休まる場所なんでしょ!?
なのに心を締め付ける場所にしてどうするの!?
わたしも含めて全員、本当に言いたいことは言えないまま…こんなのが家族なわけない……」



いつだって、わたしたち家族は本音でぶつかり合うことを避けていた。
そして、我慢することを覚えると言いたいことには蓋をして伝えないでいたんだ。



「わたしはちゃんと今ここで言うよ…!
わたしは誰になんと言われようとデザイナーになる!
何年かかろうと叶えてみせるから…!!!

お兄ちゃんみたいに賢くはないけど…わたしはこの家族の一員として恥じないような人になりたい…っ!」



ここで、ちゃんとわたしたちは家族になろう。
どこにも負けないぐらいの絆の強い家族に今からでもなろうよ。



「純恋……」



お兄ちゃんがぽつりと呟いた私の名前。
そして、その数秒後にお兄ちゃんがゆっくりと綺麗な形をした口を開いた。