【完】幸せは透明度100%





「ダメよ。約束はちゃんと守ってもらわないと…!!」



お母さんはお父さんがわたしの夢を応援しようとしていることに気づいたのか、急に声を荒らげて言った。


どうして…お母さんはわたしを応援してくれないの?
わたしのことが嫌いなのかな?何が気に食わないのかな?


そんなことが永遠と頭の中を駆け巡る。



「ただいま」



タイミングがいいのか悪いのかお兄ちゃんが出掛け先から帰ってきた。
その声はどこかいつもよりも低くて何かが違った。



「おかえりなさい。今日の実習どうだった?」


お母さんはわたしの話なんてそっちのけでお兄ちゃんに駆け寄る。
その光景をわたしはただ黙って見つめていた。



「…全然ダメだったよ。
テストと実際に体験してみるのでは全く違う」



深いため息とともに肩を落としたお兄ちゃん。
そして、カバンの中から小テストの結果だといってお母さんに渡した。


また、すごくいい点数なんだろうなぁ…と思っていたらお母さんの顔つきがだんだんと険しくなっていく。