「大丈夫。純恋はちゃんと変われてるから大丈夫」
まさか君の口から『大丈夫』という言葉が出てくるなんて思いもしてなかった。
だって、その言葉は君にとっては聞きたくもなくて言いたくない言葉であるから。
驚きでポカンと口を開けていると目の前にいる彼がそんなわたしを見てクスリと小さく笑った。
「魔法の言葉なんだろ?
あのとき、純恋に言われて感じたんだ。
本当に大丈夫なんじゃないかって心が楽になれた」
「要くん…」
「俺は純恋がどの道を歩んでもいつでも応援してるから」
せっかく止まっていた涙が君の思わぬ発言によって再び頬を伝う。
わたしを見て要くんが「マジで泣き虫だな」と呆れたように言うけれども心なしか君の瞳も潤んでいるような気がする。
泣き虫でもいいよ。
だって嬉しいんだもん…わたしの気持ちがちゃんと届いていたと思うと嬉しくて嬉しく仕方なかった。
「…わたし、今度こそ夢への壁をとっぱらうために頑張るね」
わたしが力を込めていうと要くんはそれに応えるように人懐っこいわたしの大好きな笑顔を浮かべた。



