「俺はずっとお前の味方だから。忘れんなよ」


わたしは、その言葉が欲しかったのかもしれない。
自分が失敗しても“味方がいる”そう思うためにその言葉が聞きたかったんだ。


その言葉を聞き、安堵の波が押し寄せてきてそれと同時にダムのようにせき止められていた涙も溢れ出したように私の頬を濡らしていく。


彼はそんなわたしの背中をトントンと優しく叩いて慰めてくれる。



「なんで人間って後ろ向きに首がついてないか分かる?

人は何があっても前を向いて進めるように首が前向きについていると思うんだ。

後ろを振り返ることはできても、後ろを向いて進むことは難しい。
それなら、辛いことも乗り越えて前を向いて歩く方が簡単だろ?」



ずっと、黙っていた彼がわたしに問いかけるようにゆっくりと優しく柔らかい声で言葉を発した。