「……ごめん、俺のせいだよな」



なんで要くんが謝るの?
わたしが悪いのに…入賞できなくて、こんな八つ当たりをしてしまっているわたしが全部悪いのにどうして君が謝るのよ。



「でも、純恋を放っておくなんて選択肢は俺の中にはないから」



そう、はっきりと言い切った要くん。
その言葉が素直に嬉しくて、心が揺れた。


思えば、どこまでも広くて深い海のような君の優しさにいつも救われてきた。

要くんは優しすぎるんだよ…もっと怒ってもバチは当たらないのに。


耳元から聴こえてくる彼の声は力強くて、君の気持ちがひしひしと伝わってきて胸がきゅっと締め付けられた。



「要くんは何も悪くない…全部わたしのせいだから」



落ち着きを取り戻したわたしは静かに言葉を発した。

叶うはずないのに調子に乗ったからだ。
痛い目をみて当然だよ。