「わたしは…っ、もう無理なんだよ……」



ぽろっとこぼれ落ちた言葉はわたしの涙となり、頬を伝いぽつりぽつりと雨を降らしては冷たい地面を濡らす。


“挫折”


その言葉が今なら痛いほどにとても分かる。
だって、わたしが今置かれている状況によく似ているからだ。


ずっと、このためだけに頑張って生きてきたのにもうわたしには何も残っていない、希望も夢も全て失ってしまうんだ。


せっかく、色づいてきたこの世界も…また真っ白に戻ってしまうのだろうか?



「まだ希望は…「要くんにはわたしの気持ちなんて分かるわけないよ…っ!!もう放っておいてよ…!!」



何かを言われるのが怖くて、厳しい言葉を言われてしまったらどうしよう…とか色々と思うと臆病なわたしは彼の言葉を遮ってしまった。


分かるはずないよ…わたしの気持ちなんて。
胸が鋭利な刃物で引き裂かれたようにズキズキと痛んで、苦しいんだもん。


胸が痛いのはきっと夢が叶わなくなるからだけじゃなくて、君の期待に応えられなかったことや今わたしの目の前にいる君にひどく切ない表情をさせてしまっているからだ。


大きな声で叫び、彼の腕の中から離れようとするけれども彼はわたしを離そうとはしなくて、むしろぎゅっと今まで以上に強く抱きしめた。