「純恋…どうだった?」
耳元から聴こえる彼の息の荒い声。
わざわざ急いできてくれたんだろうな。
きっと、結果は分かっているんだと思う。
だけどそれを言わないのはわたしの口からちゃんと聞きたいと思っているからなのかな?
「……ダメだった」
そっと、言葉にして発すると余計に悲しみや悔しさを痛感して瞳にじわじわと涙が押し寄せてくるのをグッと噛み締めて堪える。
「そうか。でもまだ終わりじゃない」
なんで?
なんでそんなこと言えるの?
わたしはもうこの夢を追えないのに。
手放さなきゃならないのにどうしてそんな事言うの?
「そんなこと言わないでよ…!
もう終わったの…!!わたしの夢は夢で終わるんだよ!!」
こんなのヤケクソだ。
彼に八つ当たりをすることしかできないわたしはやっぱり弱い人間なんだ。
どんな困難でも立ち向かっていける君のように強くなりたいのに。



