「純恋…!」



あの丘に着くともう彼は既に来ていた。
わたしを見つめる彼のその瞳は切なげに揺れていた。


そしてまた彼の瞳に映るわたしも涙でグシャグシャの顔で目が赤く腫れていてとても不細工になっていた。



「要…くんっ…」



そう言い終わる頃にはわたしは彼に会えた安堵からなのかそれとも頼れる人が現れたからなのか…どちらにしろ彼の胸に飛び込んだ。


いつもならこんなこと恥ずかしくて絶対にしない。
でも、それぐらい今のわたしの精神状態は普通じゃなかった。