「すごくあるよ」


「へえ。やっぱ、手作りだからだな」



やっぱり、手作りだったんだ。
わざわざわたしのために得意でもない裁縫をしてお守りを作ってくれていたんだ。


その要くんの気持ちがひしひしと伝わってきてそれが溢れてしまいそうで胸がいっぱいになる。



「本当にありがとう…大切にするからね」


「あったりまえだ。失くしたら許さねぇからな」



おどけながら無邪気な笑顔を見せて、「許さないっつーのは嘘だけど大事にしてくれたら嬉しい」そういい、わたしの頭を優しく撫でる。


その行動にまたも鼓動が騒ぎ始めて、真っ赤になる顔を見られたくない一心で俯く。


このお守りがあれば…何でもできそうだ。
それぐらい君の力はすごいものなんだと改めて教えられたような気がした。


結果発表までドキドキするけど、どんな結果であろうと受け止めよう…もし、ダメだったとしても諦めたくない…。


でも、諦めないといけないのかな?
わたしは親に決められた線路を歩かないといけないのかな?


まだわたしは努力という努力をしていないのに……?本当にそれでいいの?



そんな葛藤がグルグルとわたしの頭の中で回っていた。