「大学受かったらってそんなの遅くて待てないよ〜」
「じゃあ、取り上げる」
「あっ!それはダメ…!」
わたしの手のひらの上からお守りを取ろうとした彼の動きを慌てて止める。
すると、ふわっと柔らかい笑みを浮かべて「そんなに俺からもらって嬉しかったんだ?」なんて言うから恥ずかしくなって視線を逸らす。
顔も徐々に熱を持ち始めて、ドクンドクンッと心臓が大きく音を立てて早鐘を打ち始めるから君に聞こえてしまわないか不安になる。
「そりゃあ、嬉しいに決まってるよ」
なんたって、好きな人からお守りをもらったんだからね。
これで『嬉しくない』という人はあんまりいないと思う。
好きな人からなら何をもらっても嬉しいんだよ。
「喜んでもらえたならよかった」
「なんか力が湧いてきたよ」
「マジで?俺のお守りがそんなに効果あんの?」
「あるなら嬉しいな」と言って小さく笑う君。
本当にあるんだよ…だってお守りを見つめているだけで嬉しさで胸がきゅっとなって力が体全身から漲ってくるような、そんな感じになるの。