「忘れねぇよ、何があっても。
だって、純恋との大切な出会いのことだからな」
「ヘヘッ、なんか照れくせぇな」と言い、頬をほんのりと赤らめる君に胸がキュッとなって心臓がうるさいぐらい騒ぎ出す。
「……キス、してくれてありがとう…って今なら思えるよ」
ここ最近、ずっと胸の奥にあった気持ちをそっと口に出す。
あの衝撃的な出会いがあったからこそ、今のあたしがいるんだと思うから。
もし、あの日君と出会えてなかったら今もわたしは孤独と劣等感の中を彷徨い続けていただろう。
彼は一瞬驚いたような表情を見せたけど、すぐにふわっ、と微笑んだ。
「やっぱり、思ってんじゃん。
あのときは『絶対思わないから!』とか言ってたのにな」
そのときのことを思い出しているのか、ツボにハマったのか何なのか、微笑むを通り越してずっとケタケタとお腹をかかえて笑っている彼の肩を「うるさいっ」と言って軽く叩く。



