【完】幸せは透明度100%




「わりぃ……頭冷やしてくる」



なんで謝るの?


悪いのはわたしだよ。
君の気持ちを一つも考えないで傷つけてしまったんだから。


少し考えれば分かったはずなのに。
きっと、ご両親が亡くなってたくさんの人から『大丈夫』だと言われてきたのだろう。


でも、そんな言葉一つで何かが変わることなんてなくて現実を突きつけられただけだったのかもしれない。


幼いながらに君が負った傷はとても深くて複雑なんだ。


でもね……君は勘違いしているよ。
わたしは意識的に立ち上がろうとする彼を引っ張り腕の中に引き入れた。



「違うよ、要くん。
『大丈夫』は魔法の言葉だよ。


中身がすっからかんに思えても実はその“大丈夫”にはたくさんの優しさや心配の気持ちが込められた魔法の言葉なんだよ。」



意味なんてないかもしれないけど、『大丈夫』って言葉一つだけで自信、やる気、色んなものが湧いてきて本当に大丈夫かもって思えるんだ。