その日からお父さんの家族に対する態度が変化し始めたのは家族全員分かるほどの変わりようだった。


それまではずっと病院が家のようになっていたのに必ず家に帰るようになってお母さんは嬉しそうだった。


そのあとで、わたしは今のようになってしまうなんてそのときは思ってもなかったけどね。


でも、そのときの夫婦ってまさか………



「俺の親はさ、世話好きだから最後の最後までホテルに残って誰か取り残されていないか確認していたんだって。

おまけにホテルに火つけたおっさんまで『新しい夢を見つけろ』とか言って助けたらしい」



心臓がドクンッ!と嫌な音を立てた。
やっぱり……お父さんが尊敬する人は要くんのご両親なんだ。


その事件は確か犯人は助かって、怪我人はたくさん出たらしいけど、死者は二人だけだったらしい。


ってことは……亡くなったのは要くんのご両親。



「ほんと呆れるよな、お人好しにもほどがあるだろ……っ。
ほかの人助けて自分たちだけ死んでどうすんだよ…」



「要くん……」