言葉は発さずにコクンッ、と一度だけ頷いてみせると



「やっぱり。

まあ、授業ぐらい誰にだってサボりたくなるときあるよな~」



お気楽そうにそういい、わたしを抱きしめながらゆっくりと起き上がる。


な、何なんだろう…このくすぐったいような感じ。
胸の奥が妙にザワザワして落ち着かない。



「き、聞かないんですか…?」



君は不思議に思わないの?
わたしみたいな通称“優等生”が授業サボってて。


「聞いたところでこんな俺に何ができんの?

まあ、聞いてほしいなら聞くし。
聞いて解決できることなら力になるけど」



そういった彼の声はどこか寂しさと悲しみが混じりあったような感じでまた胸がザワついた。