【純恋side】



次の日、わたしは彼のことを聞くために屋上に呼び出した。
ちなみにあれからというもの、気まずくてお母さんとは目も合わせていない。


屋上にヒュルルルと体を冷やす、冷たい風が吹き付け、結っていない髪が風に靡(なび)き、暴れるからそっと耳にかける。



「…なに?」



彼は『なに?』と聞いてくるけどほんとは分かってるんでしょ?
ここに呼び出された理由を。



「わたし、もっと要くんのこと知りたい。」


「俺は知って欲しくない」



わたしの瞳をしっかりと見つめて言い、その瞳はどこか切なげに揺れていた。



「二人で…支え合いたい」



気づけば、そんな言葉が口からこぼれ落ちていて言ってすぐにハッとした。
だって、そこには目を丸くして驚いている要くんの顔があったから。



「ご、ごめん…!でもこれは嘘とかじゃなく…「分かってるよ、だから…これから俺がこの話して取り乱したら殴っていいから」



すべて言い終わる前に要くんが力なく微笑み言った。
取り乱す…って余程彼にとって辛いことなのだろう。