でもそれも、もうやめるんだ。
このチャンスをものにしてわたしは夢を叶える。
視線を机にやれば、そこにはこの前撮ったプリクラが飾ってあって、無意識にそれを手に取った。
かなりの至近距離で頬が赤くなっているわたしとは真逆に太陽のようにキラキラと眩しい笑顔を浮かべている要くん。
楽しかったな……あの日のことを思い出すだけでも心臓がトクントクンと心地よい音を奏でる。
少し、嫌な気持ちが晴れて穏やかな気持ちになれたから机の前に座り、わたしの夢が詰まったスケッチブックを広げ想像する洋服を何回も消しては描きを繰り返していく。
時が経つのなんて忘れて夢中になって机に向かい続けた。
そのぐらいその時間が楽しくて、楽しくて仕方なかった。
こんなにも勉強机に向かって楽しいと思ったのは初めてだよ。
その日、わたしは大好きな洋服のことを考えながらそのまま眠ってしまった。



