「あなたの将来にあの子は必要ないわ」


「…っ!なんでそんな事言うの…!?」



わたしの反論なんて聞きもしないでお母さんは言葉を続ける。



「友達は選びなさいってあれほど言ってるのに」


友達…なんていなかった。要くんに会うまでは。
でも、彼に出会えたから加藤くんや歩美ちゃん、坂田くん…みんなと仲良くなれて『友達』と呼べるようになった。


全部、全部要くんがいたからなのに。



「お母さんは…!何もわかってないんだよ…!!」



それだけ言うと、わたしは階段をドタバタと音を立てながら駆け上がり部屋に閉じこもった。


要くんがいたから…今のわたしがいるのに。
楽しい日常があるのに…お母さんはわたしに期待なんてしてないくせに。


お母さんやお父さんは所詮、“弁護士の親”という肩書きがほしいだけ。


誰もわたしなんか見ていない。
見ているのはお兄ちゃんだけでわたしは親のあやつり人形。