そして、要くんは用が済んだからなのか「夜分に失礼しました」と言って玄関まで向かう。
それを追いかけるようにわたしもあとを追う。



「要くん…!」


「純恋、よかったな。んじゃあ、俺はこれで」



その様子は“何も聞くな”と言っているかのようでわたしは結局何も聞けずに外まで見送ることしか出来なかった。


でも、「明日、明日になったら聞くから…!」と彼の背中がだんだんと小さくなっていく中言った。


知りたい、君のことを。
ただ単純にそう思ったから。


少しずつ君のことを知っていきたいんだ。


そんなことを思いながら、家の中に入る。
すると、お母さんが怖い顔して玄関に立っていた。



「ど、どうしたの……?」


「もうあの子とは仲良くしちゃダメ」


「え……?」



どうして?
どうしてわたしは要くんと仲良くしちゃダメなの?


その意味がわからないよ。
要くんはわたしにとってすごく大切な人なのに。