「純恋に……チャンスをください」
そういって、要くんは深々と頭を下げた。
思わず、ずっと我慢していた涙が頬を伝う。
急いで要くんに駆け寄り、頭を上げさせようとした。
「もういいよ…要くんっ。もう十分だから…っ」
それでも、彼は頭を上げようとしない。
ずっと、視線をフローリングに向けたままで。
もういいんだよ。
わたしはこうなる運命だったんだ。
自分で道を切り開く勇気や自信がたいしてないくせにこんなことしたのがダメだったんだ。
でもね、わたしはこの前よりかはずっと人として成長できたと思うよ。
ちゃんと言いたいことを口にできるようにもなってきたし。
親にはまだ言えないけど、友達になら言えるようになって、確実にわたしは変わってきていると実感するんだ。
「お願いしますっ…!
彼女の夢を奪わないでやってください…!」
要くんの必死の声とわたしが鼻をすする音だけが静かなリビングに響く。
どうして……どうして君はそこまでわたしのためにしてくれるの?
わたしは君にとって邪魔で迷惑極まりない存在なはずなのに。



