【完】幸せは透明度100%





「うん!」



わたしが頷くと、しばらくは沈黙が続いた。
特に何かを話すわけでもなくただ二人並んで歩いていた。



「さみぃな〜…」



ありふれたような会話の始まり方で長く続いた沈黙は破られた。



「そうだね」



日に日に寒さが増してきているせいか手が凍りそうなくらい冷たくて、体もついさっき吹き出した風に当たりかなり寒い。


体を両手で擦り合わせるけど、全く意味が無いみたいで寒いまま。


そんなとき、首元にフワフワしたものが当たり自分の首元をみると、さっきまで要くんの首に巻かれていたマフラーが今はわたしの首に巻かれていた。