【完】幸せは透明度100%





最近、気づいたんだ。
わたしがこの高校でこうしてみんなと一緒に勉強したり、体を動かしたりしていることが全てわたしの青春だったんだと。



わたしは自分から壁を作ってた。
自分の世界に色がなかったのも自分が真っ白に染めていただけ。


人のせいじゃなくて、全部自分に自信がなかったわたしが悪かったんだ。


こんなにも世界は愛や恋、友情や小さな幸せで溢れているのにわたしはそれに目を向けず、ずっと下ばかり向いていた。


だから、こんな大切なことに気づけなかった。
でも、要くんと出会ってわたしはそれに気づけた。


この街は美しいもので溢れてる。
君のおかげで最近は色んなところに目がいくよ。


道端に小さく咲いている花やチュンチュンと可愛らしく鳴くスズメ。


今までは見ようともしなかったものが見えるようになった。



「ごほごほっ…」


坂田くんたちのところに辿り着くなり、隣にいた彼が咳き込む。


「要くん…?しんどくなっちゃった?」


背中をさすりながらそう言えば彼は顔を上げて三日月のように口を緩め笑った。


「運動不足だな。俺も、もう歳かな?」


なんて、おどけたように言うから「要くんはまだまだ若いよ」と小さな笑みを浮かべながら言い返した。