「要も来るよな?」
“要”という単語に反応し、耳がピクッと動いた。
頭は正面を向いているけど、完全に耳の意識は彼らの声に向いていた。
「せっかくだから行くとするか」
やっぱり、要くんは人気者だなぁ……まるで太陽だ。
そんなことを思いながらみんなでワイワイと盛り上がっているのを横目で見て羨ましいと思っていた。
わたしは“優等生”というレッテルを貼られ近づきにくい人物だと思われているから影でこっそりと盗み聞きすることしか出来ない。
何か変われた…と思ってもまだまだみたい。
この世界に馴染めてきてはいるものの、
まだ学校や教室にまでは……と思い詰めていたらトントンと机を叩かれて反射的に顔を上げるとそこには坂田くんが微笑みかけていた。



