【純恋side】



11月も下旬に入り、寒さが増してきたある日。


クラスのみんなもそれぞれの将来が定まってきたらしく、


教室を見渡せば大学受験に向けて真剣に勉強している人や内定をもらうために面接の練習をしている人がチラホラと見受ける。


そんな中わたしはというと、机に頬杖をつきながらなんと言ってお母さんたちを説得してあのコンテストに応募しようかと考えていたそんなときだった。



「なあ〜!勉強も大事だけど息抜きにみんなで思い出作りに季節外れの花火でもしようぜ!」



この前、要くんが殴ってしまった彼…加藤(かとう)くんが急にそんなことを言い出した。


ここは進学校とは言っても正直偏差値が低い高校だからかなのか、みんな反対はせずに「やろうやろう!」なんて言っている。


わたしも行きたいな……と心の中でポツリと呟く。