多分それは自分じゃないから。
彼の夢を叶えてあげられるのが自分じゃないからなんだ。
君の未来にわたしはいない。
最初からそんなの分かってたのに……。
「とっても素敵な夢だね。
要くんならきっと叶うよ。」
わたしはそういって無理やり笑うしかなかった。
ぎこちないだろうし、顔がひきつっていると思うけど幸い夜だからみえない。
それに安心してホッと胸をなでおろした。
君の夢…叶ってほしいようで叶ってほしくない…そんな複雑な気持ちになる。
わたしって……最低だよね。
「純恋は子供は何人欲しい?」
なんにもなかったかのように聞いてくる彼の質問にあたしは複雑な気持ちを振り払うようにして口を開いた。
「うーん……無難に二人ぐらいかな?」
男の子と女の子。
順番はどちらでもいい。
自由に自分の選びたい道に歩ませてあげたい。
でも、悪いことはちゃんと悪いと言って大切に育てたい。
わたしのように弱い人間になって欲しくない。



