そして、それからわたしたちは丘の上に豪快に寝そべり、キラキラと眩しい満天の星空を見上げた。
だけど、その星空を見つめる彼の瞳は酷く切なく、悲しげで胸がぎゅうっと締め付けられるように痛かった。
たまに、見せるその表情にはどんな悲しい意味があるの?
ねぇ、わたしに君のことをもっと教えて。
少し前までは人のことなんてどうでもよかった。
嫌われても平気で悪口を言われても平常心でいられた。
そりゃあ、友達は欲しかったけどもうこれ以上人を羨ましがり、妬むのは嫌だったから。
だけど、君に出会ったから…友達もほしいと思うようになったし、スキという気持ちの苦しさや楽しさもわかることが出来た。
「要くんの将来の夢は何?」
ずっと、思っていた。
わたしばっかり夢を語って要くんの夢の話って何一つ聞いたことがなかった。
少しの沈黙のあとに彼は口を開いた。
「俺の夢は……好きな人と結婚すること」
好き、な人………
鼻の奥がツンと痛くなる。
そうだよね、要くんだって人間だもん。
結婚もするし、人のことだって好きになる。
当たり前だ。
なのにどうしてこんなにも胸が引き裂かれるように痛いんだろう。



