「はいはい。俺のためだろ?ありがとな」
彼はわたしを何もかも分かりきっているよう。
だって、わたしが言いたいことを全部一つ一つきちんと感じ取ってくれるんだもん。
そんなわたしたちをみて、おばあさんはニッコリと微笑んでいた。
わたしたちは傍から見れば、恋人に見えているのかな?
それとも、やっぱりただの友達?
もっと言うなら、兄弟という線もある。
欲張りをいうなら、恋人に見えていたらいいな……なんてね。
それから二駅なんてあっという間でとうとうわたしにとっては劣等感にまみれたドロドロの街へ帰ってきてしまった。
「次行くところは俺のお気に入りの場所でお前を連れて行きたいって思ってたところだから」
電車から降りて、すぐ要くんは言った。
わたしを連れていきたい場所?
それも、要くんがお気に入りの…?
そんなところにわたしが行っていいのかな?そんな不安あったけど行ってみたい気持ちの方が大きくて結局何も言わずついて行くことにした。



