だけど決心を実行に移すのはそう簡単なことではなくて。


俺は何度も失敗した。


心の準備が出来てなくて、未来の目の前で好きなのは花梨だと言ってしまった。

授業でせっかく隣に座って、話すチャンスはたくさんあったのに全部見逃した。

本当は未来のことを待ってたのに、恥ずかしくなって曖昧な返事で終わらせた。

しかもその日には何故か泣かせてしまった。


なんでかはわからないけど、きっと俺が傷つけたんだ。



俺…全然ダメじゃん



肝心なことは何も言えない癖に、俺が未来のことを好きだってことだけは周りにだだ漏れらしい。


合格発表の日、花梨がいきなり俺に話しかけてきた時は何かと思ったが…


「翔平くん?
受かった?よね、翔平くんだもんね」


「なんだそれ
まあ受かったけど 花梨は?」


「あたしも受かった!
いやそれが言いたかったわけじゃなくて…」


「?なんだよ」


花梨は一周周りを見渡して何かを確認すると、小さな声で


「翔平くんてさ…未来ちゃんのこと好きでしょ?」


「っへあ!?」


「あはははは!驚きすぎ!
翔平くん丸わかりだよ?
未来ちゃんを見るとき目が違うもん」


多分俺今顔赤い…

うわダッセェ………

つーか丸わかりって…未来も気づいてんのか?


「未来ちゃんは多分気付いてないよ」


こいつ…エスパーかよ


「あははは!顔に全部書いてあるんだもん!
未来ちゃんは…今も、勘違いしてるかも?」


あとは自分で考えてと言い残して去っていった花梨。


あいつ終始ニヤニヤしてやがった…