どうしても好きなの

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まだ咲きかけの桜の花。


空は雲ひとつない快晴。


今日は卒業式。




翔平くんと花梨ちゃんを見ると今でも胸が痛む。



だけどいつかきっと忘れられる。


そう信じて、私は今日この学校を旅立つ。


式では途中からみんな泣き出してしまって、教室に帰ってきたら抱き合う人もいた。


私も4人で泣きじゃくって、また集まろう、って笑いあった。



ちらりと翔平くんを見ると、浩太くんや他の男の子たちと話している。


「翔平今日告白するんだろ!?」


「だからするってば!」


ドクン…


翔平くんと浩太くんの声が聞こえて、涙も笑顔も止まった。


由那ちゃんにも聞こえていたようで、「大丈夫?」と私の顔を覗き込む。


大丈夫だよって笑うけど、全然大丈夫じゃない。

悲しくて辛くてたまらない。


でもしょうがないことだから、と聞かないことにしたけど、声の大きい男の子たちの会話は全部聞こえてきてしまう。


「え、翔平告んの!?」

「つか好きな子いたのかよ!誰!?」


花梨ちゃんだよ…っ

やめて、言わないで。


「あ、もしかして花梨?お前ら仲良かったよな」


「ちょ、」


翔平くんが何か言おうとしてるけど、周りの男の子たちは聞く耳を持たない。



「確かに!お前あれは競争率高いぞ?」

「待てよ」

「まあ頑張れ!お前ならいけ「未来だよ!!!」」







え?






それまでとは比べ物にならないほどの大きな声に、クラス全員が翔平くんを見る。



今、なんて言った…?


未来って聞こえたのは…聞き間違い?



翔平くんは頭をガシガシとかいて、


「あーくそ!こんなとこで言うつもりじゃなかったのに…」