どうしても好きなの

私じゃ、ない。


普通に考えたらそうだよね。



ほとんど話したこともなくて、可愛いわけでもスタイルがいいわけでも飛び抜けた何かしらの才能があるわけでもなくて。


そんな私のこと好きになってくれるかも、なんて、考える方がおかしかったんだ。



ついさっきまでそんな期待を持っていた自分が恥ずかしくて、悲しい。



「M・K?
えーと…あっ、間宮花梨(まみや かりん)ちゃんじゃない!?」


優梨ちゃんがひらめいたように言うと、



「あー、そ「そうだよ!花梨だよ!」」



何か言いかけた浩太くんを遮って、翔平くんが赤い顔をして肯定した。


さっきまであんなに言いたがらなかったのに、やっぱりそんな言い切っちゃうほど好きなんだ。


優梨ちゃんと葵ちゃんはきゃーって興奮してるけど、私は顔を上げることが出来ないでいた。


何か喋ろうとすると涙が出てきそうで、何も言えないの。


翔平くんは迷いもなく言い切った。


花梨だ、って…


花梨ちゃんはクラス、いや学年の中でも1番と言っていいほど可愛くていい子で、花梨ちゃんを好きだという人を何人も見てきた。



そんな子に、私なんかが勝てるわけない。


もう私の恋は終わっちゃうんだ。


初恋だった。


本当の本当に好きだった。


気づけばいつも目で追ってて、仲良くなりたくて、近づきたくて。


でももう、そんなことも思えないんだね。


初めて芽生えたこの気持ちが、初めて崩れていく。


恋を失うことが、こんなに辛いなんて知らなかったよ。



「未来は好きな人いないの?」



不意に優梨ちゃんがそう尋ねてきた。


「いない、よ」


嘘。いるよ。目の前に。



「えーいないのー?」



でももう言えないじゃん。



「いないよー…」



言ったら困らせちゃうじゃん。



「つまんないのー」



胸が張り裂けそうだよ。



「もう、何それー」



私ちゃんと笑えてるかな?


心が全然笑えないから、もしかしたら引きつってるかな。


でもみんな気にすることなく会話を再開したから、安心した。