考えれば考える程イライラして、リクの手を力いっぱい握りしめた。

ボソリと呟いた「怪力」という言葉をわたしは忘れない。

「おはよ、音羽!」

教室に入ると、親友の奈々花(ナナカ)を初めとするクラスメイトが声をかけてくる。

いつまでも手を繋いだままのわたしたちを見るのは日常的だからか、誰もツッコまない。

むしろ、わたしたちが付き合ってるって思ってる。

わたしにとってはそうだったら嬉しいんだけど。