懐恋。

「盛り上がってるところ悪いけど、自己紹介してもらってもいい?」

って桑田君が言うからあ!そういえばまだしてなかったと気付く。

「そうだったな。この子が俺の大事な幼馴染の一条明音。んで、明音の親友の本田沙月とこの子は?」

「あ、高校で親友になった安村梨奈ちゃんです。」

「そっか、よろしくな。俺場違いじゃないか?」

って不安げに聞いてくる桑田君。そっか。蓮以外知らないから不安になちゃったのか。

「大丈夫だよ?さっちゃんも梨奈ちゃんも根はいい子だから。もしかしたら梨奈ちゃん人見知りなのかな?」

「そういえばさっきまで喋ってたのに本郷達が来てから急に喋らなくなったわね。どうしたの?」

視線はマグガップに注がれて、頷くだけで喋らなくなちゃった梨奈ちゃんが心配だ。

「梨奈ちゃんお手洗い行く?私もジュース飲みすぎてトイレ行きたくなっちゃった。」

「うん、行く。」

「じゃあ、ついでに私も行ってくる。」

「女特有のやつか。行ってらー。」

連の声を背にお手洗いに向かった。

「やばい!あの人なんだけど!」

トイレに入った途端さっきまでのおとなしい梨奈ちゃんと違って興奮気味に話しかけられちょっとビックリしちゃった。